
神奈川県 南足柄市
光を蓄え、薪で温める準平屋
平屋
暮らしをシンプルに。
暮らしに本当に必要なものは、意外と多くありません。
この住まいで見つめたのは、今の暮らしやすさだけでなく、10年、20年、その先まで心地よく暮らし続けられること。主寝室・水回り・LDKといった日々の営みを1階に集約し、吹き抜けの上には、家族の変化に合わせて使い方を変えられる余白を設けました。
平屋のような暮らしやすさと、二階建てならではの立体的な広がり。その両方を備えた「準平屋」という住まい方です。
高窓から降り注ぐ光、木の架構がつくる伸びやかな空間、そして暮らしの傍らで揺れる薪ストーブの炎。GX志向型住宅としての性能を数値だけで終わらせず、自然の光と熱を日々の心地よさへと変えていく住まいです。
大きな吹き抜けの下に、リビング・ダイニング・キッチンをひとつながりに配置しました。梁や柱をあえて現しとし、木造ならではの構造そのものを空間の意匠としています。連続する高窓から入る光は、時間とともに表情を変えながら室内にやわらかな陰影を描き、窓の向こうには山並みの景色が広がります。
正面から眺めると、まるで平屋のような穏やかな佇まい。主寝室、水回り、LDKをすべて1階に配置しました。日常の動きがワンフロアで完結するフラットな動線は、将来への備えであると同時に、今の暮らしそのものをシンプルにしてくれます。上下の移動を必要最小限に抑えながら、家族が集う場所にはたっぷりとした天井高と広がりを確保しました。
2階には、吹き抜けを介してLDKとゆるやかにつながるセカンドホール兼ライブラリーを設けました。壁一面の棚と長い造作カウンターは、読書や仕事、学びや趣味の時間を受け止める場所。今は子ども部屋として、将来は書斎や趣味室、客間として。用途を決めすぎないことで、家族の成長とともに姿を変えていきます。
自然のエネルギーを、暮らしのすぐそばに。
この住まいは、ZEH基準を大きく上回る省エネルギー性能を備えた「GX志向型住宅」です。断熱等性能等級6以上の高い断熱性で熱を逃がさず、屋根の太陽光パネルと蓄電池でつくった電気を暮らしに活かします。外部の環境に左右されすぎない自立したエネルギーのかたちは、日々の光熱費だけでなく、もしもの時の安心にもつながります。
土間に据えた薪ストーブは、暖房設備であると同時に、炎を眺めながら過ごすための居場所です。ベンチやスツールに腰を下ろし、薪のはぜる音に耳を澄ます時間。自然の熱が、冬の住まいを芯からやわらかく包み込みます。
吹き抜けによって、1階と2階をひとつの大きな空間として構成しました。2階からLDKを見下ろし、1階からライブラリーを見上げる。居場所ごとに異なる風景が生まれ、光や空気、家族の気配が上下階を行き交います。天井のシーリングファンが、吹き抜けの空気をゆるやかに循環させます。
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