神奈川県小田原市
土間玄関のある
海辺の佇まい
二階建て|桧の香
CONCEPT
相模湾沿いを通る西湘バイパスのすぐ北側。築60年の中古戸建付きの物件で、解体工事からの建て替え計画です。西湘バイパスとは、民家を一軒挟んでいるためにバイパスを走る車の音は気にならず、海まで徒歩1分の約56坪のゆとりのある敷地です。
軒天井の高さを出来るだけ低くし、隠れ家に入っていくような印象を演出した玄関。その玄関引戸を開けると、ストーブを設置した開放的な土間空間が広がります。廊下を挟み玄関土間の反対側は、可愛いらしいサイズの小室が並びます。
階段を上がると、2階のリビングダイニング・キッチンへ。床はパインの無垢材、くの字の間取りに合わせて斜め貼りにした床もポイントです。自然素材の中に北欧のビンテージランプや民芸品がディスプレイされ、何とも優しい癒しの空間です。
Owner`s voice
新しい遊びがどんどん生まれる家
2021年の12月、こちらの新居に越してきたYさま家族。広い庭はお手製の薪棚や、夫人が愛情を注ぐ植物たちがすくすく育っていて、日々の暮らしを楽しまれている様子が伝わってきます。外と緩やかに繋がる室内は、憩の場やギャラリーとして楽しめる土間や、海を見渡せるバルコニーなど、どこを切り取っても自由な空間。「自分らしさ」を見事にカタチにした、ご家族の家づくりをぜひご覧ください。
海まで2分 絶好のロケーションとの出会い
近くのマンションにお住まいだったご家族。漠然と「いつかは一軒家を」と思っていたところ、世の中はコロナで一変。Yさまの在宅ワークが増えたこともあり、本格的に家づくりをスタートします。Yさまのオーダーは「海を身近に感じられる家」。庭のように海まで歩いて行ける距離、そして家から海が見える立地を重視し、ネット検索や、ときには近所を散歩しながら理想の土地を探し続けました。最終的に選んだのは、不動産会社から紹介された現在の土地。当時は古い家が建っていたので、Yさまと後に担当設計士となる新進建設の興津さんは、屋根にのぼって海への眺望を念入りにチェックし、プランとの相性を確かめました。Yさまが立地にこだわる一方、夫人は「小さくてもいいから、ぜったい注文住宅!」という建物にこだわる派。隅々まで自分の理想を詰め込んだ、オーダーメイドの住まいを希望されました。
決め手は、想いを汲み取るチカラ
新進建設との出会いは、実家のそばで開催されていた完成見学会。高台に建つ平屋建ての家に興 味を持ち、ふらりと立ち寄ったのがきっかけです。リビングの中心に堂々とした存在感を放つ薪 ストーブ、周囲の自然と繋がるようなプランも魅力でした。そこで出会ったのが設計士の興津さ ん。新進建設の家に興味を持ったご家族は、2軒目の見学会へ出向き、興津さんと再会。「何度 でも無償でプランを描きますよ」という申し出や、無理やり契約を勧めてこない姿勢に惹かれ、 徐々に信頼へと傾いていきます。「興津さんの言葉に甘えて、何枚もプランを描き直してもらっ たり、気になった土地を一緒に見てもらったり。当時は4~5社ほど検討していましたが、結局 は興津さんの対応力が決め手。こちらの要望やイメージをきちんと汲み取ってくれたり、ホスピ タリティの高さも抜群でした」。
家族の心変わりにも、真摯に向き合う
依頼が決まったら具体的なプランニング。建物担当の夫人はSNSの写真や雑誌を使って、自身 のイメージを興津さんに共有していきます。特に木へのこだわりは強く、室内の扉や建具には赤 みがかったラワン材を指定。床もオール無垢にこだわり、Yさんやご友人たちと一緒に塗装した パイン材を、家じゅうに敷き詰めました。時間が経つと徐々にあめ色になっていくパインは、比 較的価格がリーズナブルなのも魅力です。窓に合わせた木枠や扉も、すべてオーダーメイド。家 じゅうが木のぬくもりで満たされています。 一通り標準仕様の用意はあるものの、施主の希望に応じて柔軟に組み変えられるのが、新進建設 の家づくり。「家の凹凸をなくしたい」という特殊なオーダーを受けてできるだけ目立たない巾 木に変えたり、他店で購入した部材や照明を持ち込んだり。またクロスがあまり好きでない夫人 のために、家じゅうをペンキ塗りに変更する、なんてシーンも。すでに着工は始まっていました が、インテリアコーディネーターの小柳さんと現場監督が連携し、全力で夫人の想いに応えまし た。
着工後は現場で実際のサイズ感などを、Yさまと一緒に確認します。
遊びのセンスを育む 広い庭と、多才な土間
この新居ですべての季節を過ごされたご家族。「最低限のエアコンで1年じゅう快適。光熱費が 節約できるのも助かっています。冬は薪ストーブの暖気だけで家じゅうぽかぽか。やさしい温も りに誘われて、夫の同僚が10人以上集まったこともあります。みんなで炎を囲んでおしゃべり したり、お酒を飲んだり。冬はストーブのある土間がリビングになります」と夫人。薪ストーブ で焼いたピザ、そして焼き芋は最高。あまりの美味しさに庭でサツマイモを育て始めたそうです。 広い庭やマルチな土間が新しい遊びをたくさん生み出してくれるので、この家に来てご家族はと ても忙しそう。「野菜や植物たちの世話、庭のシンボルツリーの種類も決めなければ。庭にサウ ナテントを出して、その横には水風呂にもなる子どものプールを並べて・・・。夏の間に2つ目 の薪棚も作りたいですね」と多忙ながらも、日々の充実が伺えます。新居の完成はまだまだ先の ようですが、その過程も楽しみながら、暮らしを謳歌しているYさん家族です。
光と風に満ちた土間スペースは、夫人のお気に 入りだけを扱う、小さな小さなセレクトショッ プ。知る人ぞ知る名店で、担当コーディネー ターの小柳さんは「いつも素敵な品揃えで、お 邪魔するたびに買い物してしまいます」とのこ と。
周囲の自然と調和する、木質とグリーンの塗り壁。ひっそりと佇むその姿は、知る人ぞ知る名店の趣があります。